「Inspireで生成した新たな材料レイアウトによって、性能目標を満たすだけでなく、元の設計よりも軽量なコンセプトが生まれました。」
「シートポストブラケットを360グラムから200グラムへと軽量化することに成功しました」
INSPIREを設計工程で活用
Empire Cycles社のChrisWilliams氏は長年にわたって、生産工程で積層造形部品を使用していましたが、その技術を自転車本体の製造に応用する機会を模索していました。そこでRenishaw社にコンタクトを取り、状況を説明しました。Renishaw社の技術者チームは、シートポストブラケットのようなシンプルで標準的な部品であれば、積層造形や重量軽減に最適だと考えました。シートポストブラケットは一般的な部品で、検証や試験を行うのに十分シンプルであるためです。
材料量や重量を抑えたシートポストブラケットを設計するために、Renishaw社はsolidThinking Inspireを使用して、コンセプトの生成に取り掛かりました。Inspireを使用することにより、設計のコンセプト生成の段階で、理想的な部品形状を素早くかつ簡単に生成することに成功しました。
Inspireのようなツールは、積層造形と密接に連動し、プロセスの自由度がもたらすメリットを最大限に生かして部品の設計を生成します。そのため、従来の製造技術では実現困難であったより堅牢かつ軽量な部品を生産することができます。
元のCADデータをInspireにインポートし、着脱ボルトとシートポストブラケットのモデリングを行いました。これにより、着脱ボルトを固定し、シートポストの先端に作用力がかかるようにできました。さらに、部品のフィーチャーを削除して設計空間を最大化し、Inspireの設計の自由度を極限まで拡大しました。次にInspireを使って理想的な部品形状を生成しました。次に、より小さい設計空間を使って2度目の繰り返し計算を実行し、形状の微調整を行いました。
Inspireで生成した新たな材料レイアウトによって、性能目標を満たすだけでなく、元の設計よりも軽量なコンセプトが生まれました。Williams氏はこのモデルに自らの設計ノウハウをブレンドし、形状を積層造形のコンセプトに最適なものへと仕上げました。