複合材料のCAE

複合材料のCAE

複合材料とは、鉄筋コンクリート、木材合板、CFRP、GFRPなどの2つ以上の素材が使われた材料を指します。

航空機のCFRPは炭素繊維とエポキシ樹脂から成っていますが、炭素繊維やエポキシの形をすべてモデル化して航空機全体を計算することは、現実的に不可能です。一般的には、実際よりはるかに大きなメッシュ(例えば100mmメッシュなど)で航空機全体のモデルを作り、炭素繊維とエポキシが混ざり合った状態の材料特性を与える方法が採られています。

Luna Rossa

空飛ぶヨット

「Altair OptiStructの複合材料最適化により、艇のすべての主要構造物についてプライ単位の寸法調整を自動的に処理し、他に類を見ないほどの緻密な設計を完成させることができました。」

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複合材特性を算出

複合材特性を算出

材料試験を行えない場合、限られた情報の中でCAEを行う必要があります。Altair® Multiscale Designer®を使えば、ヤング率、熱伝導率など、複合材料の材料特性を算出できます。算出した材料特性をAltair OptiStructAltair Radioss等の汎用構造解析ソルバーで利用できます。

繊維配向を考慮

繊維配向を考慮

短繊維を混ぜるCFRPやGFRPの場合、短繊維の向きや分布が異なるため、場所ごとに材料特性が変わってしまう課題があります。射出成型シミュレーションソフトウェアAltair Inspire Moldを使えば、繊維配向テンソルを取得できます。

積層設計支援

積層設計支援

CFRP積層材は、炭素繊維による長繊維や織物をエポキシで固めたプライと呼ばれるシートを、何層も積み上げて作ります。鉄やアルミよりも軽くしたいとCFRP設計をはじめたくても、何をどの向きに何層積み上げればよいのか、鉄やアルミのような等方性材料の設計経験による勘がまるで働かないことがあります。Altair OptiStructの複合材最適化機能で適切なプライを自動的に求めたり、Altair ESACompで簡単に積層材の評価をしたりできます。

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複合材の設計から製造を加速

Altairは35年以上にわたり、複合材構造の設計、解析、最適化に携わり、さまざまな方法で顧客と複合材設計の成功を支えてきました。Altairは、複合材構造を効率的に設計し、金属設計を複合材に変換し、性能と重量を最適化し、設計構成案を探索するための、包括的な設計および解析ツール群を提供しています。

複合材特性の算出

複合材特性の算出

材料試験を行えず材料特性がわからない場合、Altair Multiscale Designerを用いて材料特性を算出できます。原理は非常に単純で、複合材の中の個々の素材の形状と材料特性を与えることで、複合材として一塊になった状態での材料特性を算出します。

複合材に使われる一般的な素材の材料特性が登録されているので、予備知識や入力作業を行わずにすぐに使えます。算出した材料特性は、そのままAltair OptiStructAltair Radiossらの汎用構造解析ソルバーに利用できます。

射出繊維配向を考慮した強度・構造解析

射出成型に混入するガラス繊維や炭素繊維は、いろいろな方向を向いています。繊維一本一本の向きを考慮することは現実的ではないので、繊維配向テンソルという考え方が生まれました。繊維が主に向いている方向と、ばらつき具合をテンソルという形で表現しています。射出成型シミュレーションソフトウェアAltair Inspire Moldで繊維配向テンソルを取得できます。 Altair MultiScale Designerでは繊維配向テンソルを考慮した材料特性も算出でき、もちろんAltair OptiStructAltair Radiossにも使用できます。繊維配向を考慮することで、大きく精度が向上します。

積層設計支援

積層設計支援

Altair OptiStructの複合材最適化機能で、部位ごとに適切なプライを自動的に求めることができます。航空機などでAFP、ATL等の自由度の高い製造方法をとるときに大変有効な機能です。

一方、世の中の多くの積層材製品は、プライを特定枚数重ねたもので造られています。このような一般的な積層材を簡単に評価、設計する場合はAltair ESACompが最適です。積層状態での材料特性を求めたり、モデリングなしで評価を行ったり、厚み方向に各プライの安全性を可視化したりできます。

Altairパートナーアライアンスの便利な複合材ツール

Altairパートナーアライアンスの便利な複合材ツール

Altairパートナーアライアンス(APA)は、Altairのライセンス(Altair Units)で他社のソフトウェアを利用できる仕組みです。

Part Engineering社のCONVERSEは、射出成型解析結果(繊維配向など)を考慮したFEMモデルを作成できます。また、Anaglyph社のLAPには、仕様に合わせた自動積層設計機能があります。LAPのレビューについてはブログをご覧ください。

その他、AnalySwift社の複合材断面解析ツールVABS、CEDREM社の複合材詳細メッシュモデリングツールKTex Family等も利用できます。

関連資料

JATC2019 【基調講演】CFRPを用いたクロージャーパネル開発

トヨタ自動車株式会社 岩野 吉宏 様、安達 善之 様 車両軽量化を量産車で実現することはC02排出量削減の為に重要であり、運動性能の向上にも寄与する。炭素繊維強化樹脂(CFRP)は、鉄やアルミに比べ比強度・比剛性が高く、軽量化材料としての用途拡大を期待されている。トヨタでは、低コスト・高生産性が期待できるCarbon-Sheet Molding Compound(C-SMC)をバックドアインナー(Prius PHV)・サイドドアインナー(LC)・ラゲージドアインナー(LC)に採用。Prius PHVにおいてはアルミドア比(意匠樹脂部品含む)で40%の軽量化を実現した。本講演では構造設計の考えと、試作~量産の工程計画について説明をする。 >> <プレスリリース>トヨタが第5回Altair Enlighten Awardのモジュール部門賞を国内初受賞

Conference Presentations

eブック 複合材解析の実践 入門編

複合材解析の基本に加えて、複合材の破壊を予測するための様々な破壊理論における専門用語についてもカバーしています。実践面に関しては、複合材構造をモデリングする方法、複合材構造の解析と3段階最適化を実行する方法、そして結果のポストプロセスを実行する方法を説明しています。 また、学生向けの自習型のチュートリアルと演習問題も用意しています。

eBooks

様々な複合材料特性を解くMultiScale Designer

Multiscale DesignerはCFRP、繊維補強コンクリートなど、複数の材料を組み合わせた複合材料の材料特性(ヤング率、熱伝導率など)を算出するツールです。本ツールの概要、繊維配向を用いた解析テクニック、ユーザーの皆さまから頂いた面白いテクニックなどをご紹介します。

Webinars

ラミネート複合材による軽量化: AlphaCellを用いた振動音響設計

積層複合材は、増え続ける軽量化の要求に対する答えになります。機械的強度に関しては大きな進歩を遂げましたが、振動音響特性に関しては多くの課題が残っています。複合材は確かに軽くて硬いのですが、その結果、重要な可聴周波数での遮音性が低下する傾向があります。そのため、音響的な快適性が損なわれないようにするには、構造を徹底的に設計する必要があります。このウェビナーでは、積層複合材の振動音響応答を予測する独自の手法を紹介します。短い計算時間と高忠実度の予測に支えられたAlphaCellのこの新機能は、プロジェクトの初期段階で設計を最適化することができます。正確な予測に加えて、このモデルは、凝縮された特性を持つ材料カードを提供することで、FE解析の計算コストを削減することができます。 発表者 François-Xavier Bécot|Matelys社取締役兼エグゼクティブ共同経営者 Altairパートナーアライアンスを通じて提供されるMatelys社のAlphaCellを紹介します。

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